なんでなんだろう
こうやって邪なものに引きずられるのは。
どうしようもないのかな
小説、雪の夜
私達はいつでも三人で一つだった。雨の日も晴れの日も、あの雪の夜もそうであるべきだった。そうであるべきだったのだ。雪は真っ白で静かだ。周りの音をかき消す。雪の積もる音?そんなものあるのだろうか。わからない。ただ、わからない。だんだんと手の感覚がなくなってきた。紺のピーコートの上にも雪が降り積もってきた。足にも、手にも。明美が編んでくれた赤いマフラー。創志が選んでくれたセンスのいい手袋。ああ、きっとこれも明美と選んだのかな。
静かに積もる雪の中、私の体は冷えきっていた。
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